2006年07月17日

なんにもない

「なんにもない なんにもない まったく なんにもない♪」
やつらの足音のバラード 作詞:園山俊二

叫んだ声(吹き出し)が「物体」になって砕けて落ちる。
言葉がしゃべれない毛むくじゃらのドテチン。
食卓に並ぶのはマンモスの巨大生肉。

「はじめ人間ギャートルズ」というのは、今更ながら変なアニメだった・・・
し、何も分からない年頃のはずなのに、
毎回、飽きず見ていたこのアニメは何故か強烈に記憶に残っている。


特にエンディングのこの歌が大好きだった。
「なんにもない・・・♪」
このフレーズを聞くたびに、言い知れぬ満足感に浸れたのは何故だったのだろう。

「なんにもない 大地に ただ風が吹いてた♪」
言えるのは、当時、この歌のナニカが自分の中のナニカと心地よく反応して、
その後の私に陰に陽に大きな影響を及ぼしたであろう、ということだ。

学生時代、難しい本に取り組んでいると、このフレーズがよくリフレインしたものだった。
それも突然に。
「なんにもない なんにもない♪」
鼻歌混じりに歌いながら読み進める本にはエラク小難しいことが陳列されていた。
せっかく分かった気になっても、この歌と一緒でないと、なにかが欠けてるような気すらしたことがあったことを覚えている。

この歌、試みに入れ替えて「なんでもある なんでもある♪」なんて歌っても同じような響きを感じることに気付いた。

初めて聞いていた頃は高度経済成長期の真っ只中・・・のハズだが、そんなことを私が知っているわけはない。
が、振り返って感じ直す私の「高度経済成長期」の印象は大きく変わっていない。
むしろ、バブルだのなんだのと騒がれたような時期を通じても、
同じようなことを感じ続けていたような気がするのだ。

そんなアレコレが、この「なんにもない♪」に集約されている?

とはいえ決して虚無的な感じではない。
むしろ、清々しい透明なエアを、胸一杯に吸い込んだような気持ちよさ、充実感、満足感・・・と言ったほうがシックリする。



なんにもない・・・



とは、私にとって、何を意味しているのか。
それを知る必要は感じない。
ただただ今でも「なんにもない♪」と口ずさむ。
そんな時があることだけは確かだ。

「星がひとつ 暗い宇宙に 生まれた♪」

園山俊二氏、1993年1月20日逝去。
享年57歳。
その人生に何があったかを、私は何も知らない。

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