2006年06月26日

刷り込まれた膨張

TVで援助交際紛いのことやらなんやらをしている少女達のルポ番組。


「自分の居場所がみつからない・・・」
「本当の自分を見て欲しい・・・」
「生きている意味が・・・」
「生きてるも死ぬのも同じ・・・」

彼女達は彼女達なりに必死に語ろうとしてはいるのだろうし、苦しんでいるのだと想う。
しかし、なんの苦しみも伝わってこない、と言ったら厳し過ぎるか?
あるいは冷た過ぎるのか・・・
「その苦しみ」を伝えるナニカすら希薄に過ぎる感覚。

成績について叱られた少年が「リセット」するために家族を焼死させる事件があった。
恐らくは自分への注目を集めたいがために幼い子供を手に掛けた遺児の母親がいた。

全て同じだ。
儚い「ハテ」だけが膨張し、追い求めて破綻する。
まるでバブル経済そのもの。
バブルは終焉したという見解もあるが、私にはとてもそうは想えない。
バブルは経済現象ではなくて、もはや文化や文明現象だと想うのだ。
膨張は、巧妙に我々に刷り込まれている。

夢を持つ儚さを知る、希望の裏にある絶望を知る。
それが大人だとは決して私は想えない。
だからといって、むやみに夢や希望だけを鼓舞するのも。

「等身大の自分を」などという言葉も出てくる。
等身大の自分ってなんだ?
観音様を開帳して6万円をもらうなら、その6万円だって等身大の自分ではないか?
こうやって「大したことも書けんなぁ」という私の実感は、そのまま私にとっての等身大だ。

他人の言葉や目など、「評価」であって、自分にとっての本来的な意味はない。
イチローは、その評価にさらされる立場にあって、非常に興味深い言葉を多く残している。
が、いずれも「そうだよね」としか言い様がない言葉でもある。
自分につきつけられた「等身大」を受け止められるかどうか?
それは「自分の問題」だ。

「人は裏切るけど、お金は裏切らない」
あり得ない。
お金は人を裏切る。
この世に「裏切らないもの」など求める精神性自体が理解出来ない。
裏切らないものがなくては生きていけない精神性が理解出来ない。
自分すら自分を見事に裏切るではないか?

「そんなハテ」を見つめても何も見えはしない。
確かに、そこに見えるのは絶望だけだろう。
夢も希望も「そんなハテ」に存在するものではないのだ。
裏切り続ける自分と闘って闘って・・・それでも見つかるだろうか・・・

スローなんたら。
それも悪くはない。
働きに働いてきた人達が天に召されるまでの残り時間を味わいたい、
生来、自然とともに生きてきた人達が、その生活を守り続けて生きていく、のなら。
時には疲れ果てて休息することも。
でも、そのスローなんたらは「目指す」ものなのか?疑問だ。
少なくとも私には違和感がある。

どんなに素晴らしい料理を山盛りに並べられても、胃袋は急には膨らまないものだ。
そんなことは高級料理でなくても食えば分かる。
いや、食わなくても分かる。
かといって霞を食って生きていけるか?

そんな当たり前のことが見え難い・・・

見え難いのは何故なのか?
見えなくて苦しんでいるのに見えないままなのは何故なのか?

そんなところにも、きっと人を知るなにかがあるのではないだろうか。
しかし、今の私には・・・分からないことが余りにも多過ぎる。

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この記事へのコメント

1. Posted by 綾見由宇也   2006年06月29日 07:08
 僭越ながら、まっくさんの「豊穣なる呪の世界」及びこの稿を読ませていただいて、私の脳裏に浮かんだ観念とは「彷徨いまっく」なる一語に類するものでした。つらつらと付随して、ある物語が浮かびました。私自身も、まあいわば惑っており、言葉を生み出すことによって自身を鑑みるという、かなり苦しい事態がここのところ続いております。まさに呪縛の世界。一方通行で「自分はてっきりこう、だと想っていたのに」なる想い込みでつい、最近もひやりとさせられまして、この世の中、ほんに想い通りにはゆかないなあと溜息を吐いたばかり・・・・・。ひとを知る手がかり以前にますます自分自身が解らなくなってくる。だからまた自身をまずは知りたいと取り留めの無い文章を編んでみたり・・・、私も知りえません。いまだ自身の本当の大いなる観念を。綾見 
2. Posted by まっく   2006年06月29日 21:28
綾見さま、こんばんは。
人を知るというのは自分を知る作業そのもののような気がします。そして、また「語る」ということも。

>私も知りえません。いまだ自身の本当の大いなる観念を。
人は皆、大いなるものを抱えているのだとは想うのです。それと向き合うかどうかこそが大切ではないか、と。
とはいえ私めも、彷徨いから抜け出して流離ってみたいものです。今少し、息ある言葉・・・「呪」を編んでみたいものです。

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