2006年02月28日

蒼穹の刃

確かに嵐は、月のせいじゃない

それでも右の指先を陽の方に伸ばすと、
急速に鋭くなったやいばは未だ深き闇高く、
それは高くに切り込むのさ

左眼さがんに遠映えるさざなみは、澄まし朱して深懐か
奥には黄色く醜い骸骨が、
忌々しげに舌打ちしつつ「一時さ・・・」と嘯き、包み込まれているらしいけれど

痩せ細った腹は、それでも陽を受け、紅く紅く燃えている

星々の囁きを切り裂きながら、
鼻先を掠めて闇をあばかんばかりに過ぎる刃を受け、
月は急いで、ホライズンに佇む太陽に寄せ身した
頭を出そうか迷っている最中に、迷惑じゃぁ、ないかい?
昨日の嵐は俺のせいじゃぁ、ないんだよ

確かに嵐は、月のせいじゃない

たっぷり大雲を飲み込んでた荒波も
そこから長く黄色く伸びたあの骨も
骨に捕まり闇海に喰われた友の翼も

確かに嵐は、月のせいじゃない

左の指も伸ばしてやれば、薄刃は遠くの雷雲を切り拓く
両の瞳に映るとて、天海定かならぬ闇の閃光一筋きりさ
痺れ切った刃もいつまで保つやね

確かに嵐は、月のせいじゃない

確かに、嵐は、月のせいじゃない

トラックバックURL

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔